無私の思いが今も人と人を結びつけている。
大切な宝物にはピカピカの宝箱を用意してあげたい。ただそれだけの思いです。そして、私にはたまたま寄付できるだけのゆとりがあった、それだけのことです。難しいことを言うつもりはありません。地元時代(岐阜)に、監督を務めるスポ少サッカーチームにユニフォームを作ってあげたときもそうでした。どの親も、我が子の試合を観戦するたびにくたびれたユニフォームが気になっていたものの、しかし一律に費用を捻出するには経済事情の違いがネックになりそうだったので、ならばと、たまたまゆとりがあったうちの会社でその費用を負担させてもらいました。社会や人間関係がどんなに複雑になっても、子供たちのことに関しては、そんなシンプルな思いがいまだに人と人を結びつけているのかもしれません。たくさんの寄付が集まってできたピカピカのフレンズ・スクエアを見て、私はそう感じました。
私が子供を明泉に通わせようと思ったいちばんの理由は、園児の多さです。この規模の幼児教育は大都会でも田舎でも(それぞれ異なる理由から)不可能ですし、しかも明泉は卒園後もその繋がりがずっと続きます。かつて、どん底時代に周囲の縁に助けられた経験がある私は、子供にはとにかくたくさんの出会いを経験してもらいたいと願っています。子供にとってフレンズ・スクエアが素晴らしい出会いの場になり、そして、いつでも帰ってこられる故郷のような場所になったらいいなと思います。
ところで、どんな建物もいつかは古くなります。フレンズ・スクエアも、ふたたび狭くなるときがやってくるかもしれません。子供たちへの思いをいつでも結集させられるように、この寄付活動はずっと継続していくべきだと思います。